てぃーだブログ › バーコージの徒然なるままに♪ › 番外編 › 尖閣諸島問題2

2012年08月28日

尖閣諸島問題2

こんにちは。バーコージのコージです。

尖閣諸島問題に関する続編を寄稿します。
前回に引き続き当ブログの趣旨には離反し、また長文になりますので、
興味のない方は飛ばしてください(汗)。


過日の講演会で、フォトジャーナリストの山本皓一氏が、韓国がどうして現状、海底資源も
何のプライオリティもない竹島に固執するのか、という問いに対して答えた。

「竹島とは占領下から独立した韓国が唯一他国(元宗主国の日本)から奪取できた領土であり、竹島とは韓国にとって独立国家の証なのだ」と。事実、竹島の韓国名は独島(ドクト)だ。

しかし、真実は違う。韓国は竹島を獲得できたのではなく、歴史上間然するところなく日本の領土である竹島を長年に亘り不法占拠しているだけの話しだ。
追随して、先日のイ・ミョンバク大統領による竹島への上陸(ロシアの真似。支持率回復のため)。国際司法裁判所への提訴の拒否。オリンピック今大会での韓国サッカー選手のパフォーマンスetc。

古代オリンピック開催の意義のひとつは休戦協定であり、オリンピック競技内には政情を持ち込まないのがオリンピック憲章にも明示されている出場国のルールであり、コモンセンスである。
韓国選手の愚行にはオリンピックたるもの自体への根源的、同義的責任も併在するのだが、何よりも儒教国家であるはずの大韓民国の品位の低さ、礼節のなさには抗いがたく辟易してしまう。

礼節とは読んで字の如く、礼儀と節度と表している。
数日前のイ・ミョンバク大統領による天皇陛下への謝罪要求発言などは、一国の大統領の公的発言として愚の骨頂であると同時に、その軽佻浮簿な言動の繰り返しには憤り、侮蔑を越えた何か。名状しがたい観念の発動を禁じえず、惘然自失としてしまう。


冒頭が少し長くなりましたが、今回はまず、表題の尖閣諸島問題を近隣諸国の歴史を含めた政情を分析するところから始めたいと思います。最初に、関連第一国家である中国から。

中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは1971年。国連による海洋調査が行われた翌年であることから、彼らの狙いの大きなひとつが東シナ海における石油資源であることは間違いない。

2000年代初頭までは主に香港、台湾の民間活動家による領土侵犯が主体であったが、2008年の北京オリンピックが閉会して以降、本国中華人民共和国による尖閣諸島への領海侵犯、
海洋調査等が激化している。
政治的観点から見れば、チベット弾圧等の国際問題化を恐れていた中国が、北京オリンピックを無事終了後やっと、本来の領土拡張問題に本腰を入れ始めたのだとみていい。
かといって、中国はただ待っていたわけではない。その間に着々と軍備を拡張し、その地海空の軍事力は今や日本、韓国、在日米軍を合わせても及ばない規模にまで膨らんでいる。

中国にとって、自国領土とは何よりも大切なものである。
中国は中華民国の歴史上の最大領土、映画ラストエンペラーでもおなじみの清朝時代の領土の復帰を目指している。つまりは、外モンゴルの併合だ。
そして、最終的にはチンギス・カンで有名なモンゴル帝国時代の領土までの拡張を視野に入れている。その領土とは西はトルコ、南はチベット、ミャンマー、そして東は朝鮮半島をも含んだユーラシア大陸を横断する巨大なもので、故に、当初東シナ海の油田開発問題においても、大陸棚(沖縄トラフ)までが自国領土(領海)なのだ、との主張をしていた。
さらに、中国内にはかつての明治政府による琉球王国の併合を根拠に、日本が沖縄を不法占拠しているとの国内世論すらあり、尖閣問題は将来の沖縄侵攻への布石と見る専門家もいる。

現在世界で最も多くの国と国境を接し、フィリピン、ベトナム、ロシア他とも領土、国境問題を有する中国だが、こと尖閣諸島に関しては台湾との関係も無視できない。

台湾という土地の歴史は複雑かつ、多用だ。オランダ、大陸、日本の統治を経て現在は中華民国が実行支配している。
この中華民国とは、中国共産党が支配する現在の一般的な中国(中国共産党支配下の中華人民共和国)とは一線を画すもので、大陸での国共内戦で破れた蒋介石が撤退した台湾に立ち上げた国家であり、現在台湾の国民党がその流れになる。

政情面では2000年に台湾初の野党であり、台湾独立を目指す民進党の陳水扁が総統の座に着くも、2008年に汚職スキャンダルで退陣。以降現在は、国民党の馬英九が総統の座を勤めている。
この馬英九という人物は香港生まれハーバード大学卒業の超エリートなのだが、端的に言えば反米反日のタカ派で、彼が政権を担って以来、台湾の大陸寄り傾向には歯止めが効かない。
ここ石垣島においても中台間の規制緩和で、かつて名蔵湾を横行していたクリアランス船(第三国経由の貿易船)が激減しているのは既知のとおりだ。

台湾にはかつて、台湾海峡の問題があった。台湾海峡を挟んで、中国とアメリカの支援を受ける台湾とが睨み合い状態でいる、いわば38度線問題のようなものだ。
台湾海峡ミサイル危機が勃発した1996年はくしくも民主党のビル・クリントンが大統領に再選した年でもあり、中華民国と事実上の同盟関係にあるアメリカは積極的に軍事介入した。

しかし、現在はというと。当選前から中道姿勢を標榜するオバマ政権というのは、こと日本を含む東アジア方面の外交問題に関しても、必要最低限の軍事レベル以上の介入は控えているように見える。
尖閣諸島問題に対しても、日本の施政権は認めるも主権の存在ついては不明な発言を繰り返す、という分明な第三者的対応だ。

その理由のひとつに大統領選がある。選挙中でかつ財政赤字が継続している中で、必要以上に他国の内政干渉に気をかけている暇がないというのも勿論だが、それに加えて、ロムニー候補が勝利する可能性がある点も軽視できない。
ミット・ロムニーは共和党の候補者であることからも想像つくとおり、アジア外交を重んじてきたオバマ大統領とは違い、外交面では明確に中東重視の姿勢を打ち出している。
もし、ロムニーが当選すれば、アジア外交(中国以外)は蚊帳の外扱いにされる可能性が否定できない。

もうひとつ。現状でのアメリカ世論が、尖閣諸島問題を外交的危機と捉えていない事実も乖離して考えられない。アメリカ国内において、尖閣諸島問題は一部のプレスが事実関係を報道しているだけで、社会的問題として喚起されていないのだ。

更に、アメリカには尖閣諸島問題に関与しにくい理由が他にもある。
世界の警察、ローマ帝国以降最大の覇権国を自負するアメリカが、例え紛争の可能性が低いとはいえ、東アジアのパワーバランスに感心がないはずはない。前述のとおり、台湾海峡の防衛というのは中国脅威論を包括するアメリカにとって、アジアにおいてもっとも重要な外交上の問題として存続する。
ただ、今回の尖閣諸島問題は日中、日台間の領土問題であって、中台はむしろ日本に対しての共闘関係にある。

アメリカは日本とは日米安全保障条約で結ばれた同盟国であり、故にヒラリー国務長官も尖閣問題は日米安保の対象に含むとの見解を示しているが、台湾海峡の保全を第一主義に抱えているアメリカは、尖閣諸島問題単体のみを自身が積極的介入しなくてはいけないほどの、東シナ海保全の外交危機とは捉えていないのだ。

そして、あとひとつ。日本の民主党、韓国のイ・ミョンバク、中国の胡錦濤政権。三つの国全ての政権を、アメリカは先が短いと捉えている点も見逃せない。
つまりは、敢えてここで無理をする必要もないと見られているのだろう。


以上、尖閣問題をめぐる中国、台湾、アメリカの思惑を憶測した。
追筆すれば、中国が尖閣諸島に固執する理由は、海底資源に次いで制空権の確保である点も忘れてはならない。有事の際、アメリカに戦闘機を飛ばすための地理的戦略の優位性を考慮しているのだ。

対するアメリカはというと、第二次大戦以降、世界のクーデターでCIAが関与していないものはないといわれるほど、依然水面下での活動は活発だ。今こうしている間にも、国家戦略のストラテジストたちが自国原理の外交戦略の醸成に忠心しているはずだ。アメリカという合衆国の側面は、星条旗のためにはいつでも死ねる人民を数多く捏造するための、世界一の宗教国家でもある。 

アメリカの傀儡政権だとも揶揄される韓国。アメリカの保護から経済成長を背景に、徐々に大陸寄りにシフトチェンジする台湾の馬英九政権。生き馬の目を抜く近隣諸国の外交問題を背景に、日本は今後、この尖閣諸島問題に関してどういった展開を画策していけばいいのだろうか。


自論を一言で言えば。現状、竹島、北方領土と尖閣諸島問題が差別化できる要因として、「現在実質的に日本が実行支配できている」という決定的な優位性が挙げられるのだから、こと尖閣諸島問題に関しては
『日本の固有領土なのだと公言し、関連諸国からの干渉には領土問題存在せず』
の立場を固持してほしいと思う。
前記事では『くれてやればいい』的な暴論を展開したのだが、私の尖閣諸島問題に関して真義の見解はこの一点にのみ昇華する。

所有と領有とは本質的にまったく別物だ。
土地の所有とは、日本で言えば、日本国憲法に基づき購入して登記すればいいだけの話だが、領有とは国際法を根拠に主権国家たる日本が、国家の構成要素のひとつである領土を保有している状態を指す言葉で、所有の上位概念にあたる。

2008年に長崎県対馬市の不動産が韓国資本の企業に買い占められている問題が露見した。
韓国人が対馬の土地やホテルなどの施設を買い漁り、ついには自衛隊基地隣の敷地まで買収してしまった問題で、韓国の与野党議員50人が対馬返還要求決議案を発議したこともあり、当時、三原じゅん子参議院議員らが現地を視察して、国家安全保障上の問題を提起した。
だが、いくら土地を買収し、街中にハングル文字が溢れ、街路樹代わりにムクゲを植えようと、対馬が日本固有の領土であることに代わりはない。自民党の三原議員は当時「略奪」という表現をしていたが、いくら韓国化が進み、韓国人旅行者及び居住者が増えたところで、外国人参政権すら認めていない日本では安全保障上の問題にはなりえないのだと思う。

アメリカのエクソン・フロリオ条項のような関連法規の独立立法の必要性を否定はしないし、むしろ性急な関連の法的整備を希求するが、今後もし、韓国人もしくは韓国企業が対馬において脱法行為をはたらいたとしても日本の現行法規に基づいて取り締まれば言い訳なのだし、必要性に応じて公安の監視下に置けばいいだけの話しなのだと思う。
所有権と違い、領有権とは歴史に基づいた、なおかつ国際法上に則った自然権であること。それ以上でもそれ以下でもないことを機軸に考察すれば、この対馬問題の本質は容易に見抜くことができるはずだ。

尖閣諸島に関しても同様で、地主が個人でも東京都ないし石垣市でも、はたまた日本国政府であろうとも領有権に関しては何の違いもない。あくまでも国内事情であり、まず第一に『尖閣諸島は日本固有の領土に変わりがない』という姿勢を保持するべきなのではと思う。
それが東京都による購入にいたっても、国内法に基づく所有権移転の問題であり、『他国の干渉は汲みせず』の立場を貫き通すべきだ。その所有権が個人から公共団体に移転することで、中国のナショナリズムを刺激するのだとしても。


追記として。2001年に勃発した九州南西海域工作船事件の時、不審船を発見した在日アメリカ軍は当初防衛庁(当時)に情報を送信した。しかし、防衛庁は自衛隊を出動させることなく、海上保安庁へと情報を横流しした。縦割りで予算取りしている省庁が、手柄を横流しするとは考えにくい。何らかの政府意図が働いたとみるのが妥当だ。
そんな折からの昨日。政府は尖閣諸島への上陸申請を提出していた東京に対し、不許可の裁決を下した。

いくら専守防衛が基本的な発足理念である自衛隊の近隣諸国との交戦(あくまで可能性として)が国内外への波紋を生じる恐れがあるとはいえ、一連の政府の弱腰対応にはほとほと愛想が尽きる。これでは、ネットで売国奴呼ばわりされている政治家の擁護など到底する気にはなれない。

そんな中、錯綜する世情においてひとり黙々と尖閣諸島購入完遂へ邁進する石原慎太郎都知事には多大なエールを送ると同時に、重ねて深い畏敬の念を抱きたい。
尖閣諸島購入交渉にいたる経緯には現所有者である栗原家と石原家との親交は欠かせなかったのだし、石原氏の政治家、一個人としての一徹した言動が現所有者の心を動かしたことも類まれない事実だ。

派生して露呈すると。戦前、斎藤隆夫という参議院議員がいた。
大東亜戦争参戦に傾倒する帝国議会において、『国家百年の計に反する』と反戦演説した昭和の大物政治家なのだが、その斎藤氏の気骨さを現代の石原氏の無粋さの中にみるのは単なる私の憧憬なのだろうか。


最後に。今月19日の魚釣島沖の船上で行われた慰霊祭に同行した、友人U君が撮影してきた尖閣諸島のフォトギャラを併載します。
自責の念を含めて進言すれば。メディアの論客気取りで持論を披瀝することは、誰にでもできます。そんな私達のような者とは違い、保有する理念を具現化した彼が撮影してきたこれらの写真が本記事寄稿の原点となりました。

『ナショナリズムは不成者(ならずもの)の最後のよりどころ』

自分たちを世界の中心だと考えているのは、アメリカ人と中国人だけではないと思います。
稚拙なアイデンティティに依拠した愚鈍な選民思想『軽慮浅謀なナショナリズム』を喧伝する気など毛頭ないのですが、当たり前に存続されるわけではない自国領土のひとつに、時に想いを馳せてみてるのもいかがでしょうか。

魚釣島
尖閣諸島問題2

久場島
尖閣諸島問題2

北小島及び南小島
尖閣諸島問題2

報道陣に囲まれ石垣港に帰港する、山谷えり子参議院議員
尖閣諸島問題2



同じカテゴリー(番外編)の記事
尖閣諸島問題
尖閣諸島問題(2012-07-01 23:53)


Posted by バーコージ at 20:13│Comments(1)番外編
この記事へのコメント
是非、新聞にも寄稿を。
Posted by JJ at 2012年08月28日 22:54
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。